司法書士法人オネスト 押田健児の備忘録

平成21年10月独立開業、平成24年10月法人化しました司法書士のブログです。東京都千代田区(神保町、小川町、淡路町、御茶ノ水、竹橋)で司法書士やってます。

債権・動産譲渡登記

「動産・債権担保融資(Asset-based Lending:ABL)普及のためのモデル契約等の作成と制度的課題等の調査」報告書/経産省

昨年公表のものですが、月刊登記情報634号(2014.9)でモデル契約書を引用した解説もありましたので、参考用にここにもメモ。

【PDF】

平成24年度産業金融システムの構築及び整備調査委託事業
「動産・債権担保融資(Asset-based Lending:ABL)普及のためのモデル契約等の作成と制度的課題等の調査」報告書
平成25年2月 株式会社三菱総合研究所


「東京都動産・債権担保融資(ABL)制度」がスタートします/東京都

ちょっと前の情報になりますが気になっているものとして、本年5月1日から「東京都動産・債権担保融資(ABL)制度」がスタートしています。

「東京都動産・債権担保融資(ABL)制度」がスタートします/東京都

制度の特徴としては、以下のようなものがあげられています。
•不動産担保によらず、車両、建設機械、工作機械、売掛債権、在庫など多様な動産や債権を担保に活用した事業資金の借入れが可能
•担保の種類ごとに優れたノウハウを持つ「専門機関」が動産や債権の評価等を行い、取扱金融機関の融資をサポート
•借入れの際に中小企業が負担する経費(担保評価費用や保証料等)の一部を東京都が補助

こちらの資料(PDF)がわかりやすいと思います。

まだ始まったばかりですが、利用状況など興味があります。
動産譲渡登記・債権譲渡登記の手続で本制度に絡んだ司法書士の方、いらっしゃいます?

司法書士法人オネスト 司法書士 押田健児
TEL:03-5283-6664 FAX:03-5283-6665
101-0054
東京都千代田区神田錦町三丁目6番地7 錦町スクウェアビル2

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登記・供託オンライン申請システムを使用した事前提供方式について/法務省

登記・供託オンライン申請システムを使用した事前提供方式について/法務省

動産・債権譲渡登記に関するものですが、概要のみ抜粋

 平成26年6月2日(月)から,新たな登記申請の方式として,登記・供託オンライン申請システムを使用した「事前提供方式」が認められます。
    登記申請の方式としては,これまで登記申請書と磁気ディスクを提出する方式(以下「書面方式」といいます。)と登記申請に必要な情報を全てオンラインで送信する方式(以下「オンライン方式」といいます。)の2種類が認められていました。
    このたび,3種類目として創設される事前提供方式は,書面方式で磁気ディスクに記録している情報等(以下「登記事項」といいます。)をオンラインで送信した上で,それ以外の情報については書面で提出するという方式です。
    この事前提供方式には,次のメリットがあります。
  (1) 登記申請(登記申請書の提出)の前に,登記事項の形式エラーのチェックが行われます。
  (2) 希望があれば,登記申請前に,登記事項について事前相談を受けることができます。
  (3) オンライン方式による場合と同様に,登記所の処理状況をオンラインで把握することが可能ですので,登記手続の終了や登記番号を把握することができます。
  (4) オンラインを利用しますが,電子署名や電子証明書は不要です。



動産譲渡登記の抹消登記(譲受人に特定承継があった場合)②

二本の動産譲渡登記が明らかになりましたが、関係当事者としてはA社とC社の共同申請によって両登記を抹消できるだろうという認識及び期待がありました。
が、結論としては①の登記はA社とB社の共同申請で、②の登記はB社とC社の共同申請で抹消する必要がありました。

条文を確認すると、譲渡人と譲受人が抹消登記を申請することができると規定がされています(特例法10条1項)。
当事者の期待もありますので、②の登記の備考欄から承継の経緯も判明することから、承継を証する書面を添付するなどしてA社とC社で抹消できる方法があるのかを念のため法務局に確認するも不可。
これに「納得いかん!」と考えた弁護士の方がこの後に自ら法務局へ行ったようですが、結論は変わりません。

ということで、急いでB社に連絡をとってもらい、既に清算会社となっていたB社の代表清算人から書類を取り付け、無事取引に間に合わせることができました。

動産譲渡の譲受人の地位を特定承継した者は、当該抹消登記の申請当事者にならない点については、月刊登記情報581号「動産・債権譲渡登記の現場Q&A第12回」のQ84の注2に参考となる記載がありました。
Q84では、譲受人が会社分割を行い吸収分割承継会社(新設分割設立会社)に当該動産譲渡登記の対象である動産又は債権が承継された場合には、譲渡人と吸収分割承継会社(新設分割設立会社)の共同申請で抹消登記を申請する旨の記載があります。
ここの注記で、動産譲渡登記の対象である動産又は債権が会社分割によって吸収分割承継会社(新設分割設立会社)に承継されなかった場合において、分割会社が当該動産又は債権を第三者に譲渡した場合、当該動産譲渡登記の抹消登記は譲渡人と譲受人(分割会社)の共同申請によることとなり、特定承継者である当該第三者は抹消登記の申請にとならないものと考えられる旨の記載があります。
会社分割の場面の話となっていますが、これはQ84本文が会社分割についての事例だったためで、注記の内容の結論部分については会社分割うんぬんは関係ないでしょう。

なお、譲受人が吸収合併により消滅した場合には、当該動産譲渡登記の抹消登記は譲渡人と吸収合併存続会社の共同申請によることになります(同Q&AのQ82参照)。

B社をからめないと手続ができない、と判明したときには関係当事者が「ざわ・・・ざわ・・・」した感じになりましたが、無事、会社売買の決済日に対象会社の役員変更登記と動産譲渡登記の抹消登記を申請できてほっとしました。
実体上は何ら権利を有していない当事者を手続に関与させることには皆さん最後まで違和感を感じていらっしゃったようで、送金の待ち時間にもちょっとした話題になっていました。


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動産譲渡登記の抹消登記(譲受人に特定承継があった場合)①

今回、会社売買に伴う登記手続として、珍しく動産譲渡登記の抹消手続もあわせて行うことになりました。
債務者側と債権者側で今回の抹消対象だと言っている動産譲渡登記の番号が一致せず、何か話がかみ合わないなと思いながら数日後に届いた資料を確認してみましたら、以下の二本の登記が存在することがわかりました。

①債務者A社と債権者B社との間で集合動産譲渡担保契約を原因とする動産譲渡登記(譲渡人A社、譲受人B社)

②B社が①の被担保債権をC社に譲渡したことにより担保権も移転したことに伴う動産譲渡登記(譲渡人B社、譲受人C社)

②の登記には「備考」として、「被担保債権譲渡に伴う担保権移転の合意に基づく、譲渡人B社がA社に対して有する権利(譲渡担保権・第0000-000号にて動産譲渡登記済)の譲渡」と記載がありました。第0000-000号=①の登記番号です。

とりあえず、動産譲渡登記の抹消登記の一般的な必要書類について整理しておきますと、以下のとおりです。
・法人が申請人の場合は、商号、本店、代表者の記載のある登記事項証明書(作成後3ヶ月以内)
・譲受人の印鑑証明書(作成後3ヶ月以内)
・譲渡人、譲受人の表示(本店、商号、住所、氏名等)が登記上の表示と異なっている場合は、その変更を証する書面
・代理人による申請の場合は委任状(支配人が代理人となる場合は、支配人の登記がなされている登記事項証明書)
※添付書類の原本還付請求はできません。

関係当事者の認識としては、そもそも登記が二本立てになっていることについての認識がなかったり、またはその認識があってもA社とC社のみを申請人として(B社を関与させずに)①②の抹消登記ができるという認識だったのですが・・・

例えば不動産登記の話で、被担保債権の譲渡に伴い抵当権移転登記がなされている場合には、所有者と現抵当権者の共同申請で(前抵当権者を関与させずに)抹消登記ができてしまうのですが、動産譲渡登記はこのあたりが異なっていました。
(つづく)

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プロフィール

司法書士 押田健児

平成14年に司法書士試験に合格し、複数の事務所勤務を経て、平成21年10月1日に九段下に司法書士事務所を開業しました。平成24年10月に神田錦町に事務所移転、法人化。NPO法人相続アドバイザー協議会認定会員。
昭和54年長野県生まれ、東京都町田市育ち。
幼稚園から中学校までレスリング道場に通い、高校大学ではレスリング部に所属。
日本大学藤沢高校卒業。
法政大学法学部法律学科卒業、一部体育会レスリング部所属(スポーツ推薦入学でした)。
平成27年4月より、町田市体育協会評議員
【保有資格など】
司法書士 行政書士 宅地建物取引主任者 測量士補 NPO法人相続アドバイザー協議会認定会員 上級救命技能認定

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